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もも(Peach)

【病害】国内のももの被害は40種余りあるが、普通みられるのは10種内外で、縮葉病、黒星病、灰星病、フォモプシス腐敗病、炭そ病、せん孔細菌病などの被害が目立っている。最近、一部の地域で枝折病やいぼ皮病の被害が知られている。また胴枯病(樹脂病)の発生も問題になってきている。ももは無機胴剤で薬害を生ずるので注意を要する。

作物 病害虫 病害虫名 学名 英名
  発生と生態
もも 病害 縮葉病 Taphrina deformans Leaf curl
 おもに葉に発生するが、ときに新梢や果実も侵す。枝の表面や芽の鱗片付近に分生胞子が付着して越冬する。若葉に発生し、はじめ赤い小さな火ぶくれ状の病斑を生ずる。葉の生育にともなって病斑も拡大して、全葉に達し、厚く膨れ上がっておうとつが激しくなる。白緑色となるが、一部紅色を呈する。
もも 病害 灰星病 Monilinia fructicola Brown rot
 おもに成熟果に発生するが、ときに花や幼果、枝も侵す。主としてミイラ化した被害果や落果で、菌核で越冬する。果実では通常収穫直前や輸送中の熟果に発生する。はじめ褐色、円形、やがて急速に拡大して全体が腐敗する。表面に径約1mmの半球状の枯状物を形成し、やがて落果する。果実の病斑が果梗に達すると、結果枝は枝は果梗を中心に病斑を形成して枯死する。花が発病すると暗緑色となって腐敗し、やがてミイラ状となる。
もも 病害 黒星病 Cladosporium carpophilum Scab
photo 果実、枝、葉に発生する。枝の病斑で、菌糸で越冬する。果実は5月下旬から6月にかけ幼果に暗緑色の小さな点を生じ、果実の成長につれ病斑も拡大し、径2〜3mmになる。病斑が融合して大きくなると、き裂を生ずることがある。枝の病斑は赤紫色で後、褐色になる。葉の病斑は円形で中央が灰白色、のちに丸く穴があく。
もも 病害 炭そ病 Gloeosporium laeticolor Anthracnose
photo 枝、葉に発生する。枯死せずに越冬した罹病枝で、菌糸で越冬する。果実は落花後から発生し始め、円形で褐色のへこんだ病斑を生じ、葉は管状に巻いて幼果はミイラ状となり、熟果は落ちる。葉は葉縁に淡褐色の大きな病斑を生じ、ごく若い葉は侵されると若い枝まで達して褐色のくぼんだ病斑をつくる。
もも 病害 せん孔細菌病 Xanthomonas campestris pv.pruni Bacterial Shothole
photo 葉、枝、果実に発生する。前年枝の表皮組織内の病巣で、菌体で越冬する。葉ははじめ淡褐色かすり状の斑点が現れ、病斑は褐〜灰褐色に変わりながら拡大。古くなると穴があく。激しく発病すると落葉する。枝は水浸状の病斑を生じ、芽の付近が侵されることが多い。果実ははじめ褐色小斑点、後、拡大して黒褐色でへこみ、き裂を生ずることがある。病巣は深い亀裂がある褐色をし、時々ヤニを出す。

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