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ぶどう(Grape)

【病害】わが国のぶどうの病害は50種あまりあるが、普通圃場でみられるのは10種程度である。このうち被害の大きいのは晩腐病をはじめ、黒とう病、べと病、灰色かび病、褐斑病、うどんこ病、さび病などである。これらのほか、果実を腐敗させる房枯病や白腐病も普通に発生がみられるが、一部の地域では晩腐病に類似した苦腐病の被害が大きい。最近、とくに巨峰につる割病の被害も目立ち始めた。

作物 病害虫 病害虫名 学名 英名
  発生と生態
ぶどう 病害 黒とう病 Elsinoe ampelina Anthracnose
photo 葉、枝、果実、巻ひげなどに発生する。病原菌は結果母枝や巻ひげ中で、菌糸で越冬する。葉は淡褐色小斑ができ、しだいに黒くなり、孔のあくこともある。花穂はひどいときは全体が赤枯れや、黒枯れとなる。大豆粒ぐらいの幼果は褐色小斑が発生し、しだいに黒く拡大し果実の生育とともに拡がり、中央部灰白色、外部褐色のくぼみを生ずる、新づるは淡褐色小点ができ、拡大してへこんだ楕円形となり、果実と同様な病斑をつくる。
ぶどう 病害 晩腐病 Glomerella cingulata Ripe rot
photo 果実のみを侵す。結果母枝の皮膚組織や巻ひげ内で菌糸で越冬する。成熟間際の果実でははじめ淡褐色の小点で次第に全面におよぶが、熟果では、はじめから赤褐色、円形でやや不明瞭な病斑を生じて腐敗する。果面にはさめ肌状の小黒点を生じ、その上に鮭肉色、粘質の胞子塊を形成する。欧州種では小じわを生じてミイラ化し、秋まで残ることが多いが、米国種ではミイラ化する前に落果する。
ぶどう 病害 うどんこ病 Uncinula necator Powdery mildew
 葉、枝、果実に発生する。病原菌は主として芽のりん片内で菌糸で越冬する。葉では表面に白色のかびを生じ、やがて汚れた灰白色になって全面に広がる。枝では赤褐色〜黒褐色あざ状になり、充実が妨げられる。幼果〜未熟果では白色のかびを生じて奇形になり、未熟のまま硬化する。熟果では放射状に変色して黒褐色のあざ状になる。
ぶどう 病害 灰色かび病 Botrytis cinerea Gray mold
photo 花、果実、葉に発生する。被害部上で菌糸または菌核で越冬する。開花前の花穂や成熟期の果実に特に発生が多い。前者では軸穂や果梗の一部が黒褐色になって腐敗し、花流れをおこす。後者では腐敗して褐色になる。葉でも輪紋を有する不規則な大形病斑を形成する。これらの病斑上にはいずれもその表面に灰色のかびを生ずる。
ぶどう 病害 褐斑病 Pseudocerospora vitis Laef spot
photo 葉にだけ発生する。結果母枝や落葉に病斑中で菌糸や分生胞子で越冬する。成葉に中央部黒褐色、周辺褐色、数mmの大きさの多角形の病斑を生ずる。多発すると8月頃から黄変して早期落葉し、果実の成熟や枝の充実が悪くなる。
ぶどう 病害 べと病 Plasmopara viticola Downy mildew
photo 主として葉に発生するが、果実や新梢にも発生する。病原菌は被害葉組織内で卵胞子で越冬する。葉では表に、はじめ淡黄色〜淡緑色、周囲不明瞭で、透過してみえる班点を生じ、後、褐変する。4〜5日後に裏面の葉脈に囲まれた多角形の部分に純白色のかびを密生する。

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