作物 |
病害虫 |
病害虫名 |
学名 |
英名 |
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発生と生態 |
かんきつ類 |
病害 |
黒点病 |
Diaporthe citri |
Melanose |
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葉、枝、果実に発病するが、果実の被害が一番問題である。 |
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〔果実〕病原菌の胞子濃度が高いと涙斑状になり、さらに感染が進むと泥塊状となる。上記症状より軽い黒点状病斑もある。 |
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〔枝〕表面に黒点、暗褐色油浸状の病斑ができ、ひどくなると赤褐色となり枯れ込んでくる。 |
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〔葉〕黒点ができ、ひどくなると葉が黄化、奇形を生じ、落葉する。伝染源は枯枝で、みかんのほか、マキ、サンゴジュ、ヒノキなども伝染源となる。胞子の飛散は3月頃から始まり、6〜7月と8月下旬〜10月が多い。 |
かんきつ類 |
病害 |
小黒点病 |
Diaporthe medusaea, Alternaria citri |
Melanose like blemishi |
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黒点病斑よりかなり小さい黒点が、果面の油胞の間に点在する。Diaporthe medusaeaとAlternaria citriによるものとがある。枯れ枝、果梗枝、枯死した幼果に寄生して繁殖する。濃厚に伝染した場合に発生するので、繁殖穂菌枝の下部の果実に発病が多い。 |
かんきつ類 |
病害 |
褐色腐敗病 |
Phytophora citropthora |
Brown rot |
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特に8月以降、果実に発生する。ごく初期の症状は果実のごく一部にシミ状の油浸斑ができ、2〜3日後に果実の全面に淡褐色の病斑が広がる。これら発病果は病斑の拡大と同時に落下する。 |
かんきつ類 |
病害 |
そうか病 |
Elsinoe fawcetti |
Scab |
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葉、枝、果実に発病する。葉、果実ともに半球状にもりあがる。そうか病斑型と、いぼ状に隆起するいぼ型病斑とがある。果実の被害は外観をそこなう外、果実の糖が減少し、酸が増加する傾向がある。発病は9月頃まで続くが、7月頃までの発病が果実の商品価値へ影響が大きい。 |
かんきつ類 |
病害 |
かいよう病 |
Xanthomanas campestris pv.citri |
Canker |
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葉、枝、果実に発病する。症状がひどくなると落葉、枝の枯れ込み、生育阻害を起す。果実の発病はたとえ軽症でも外観をそこなう。葉の病斑は水浸状で表面がややもりあがり、そうか病斑と似るが、輪郭が鮮明である点でそうか病と区別できる。果実は小型の緑色斑点からかいよう状の大型病斑がある。病原菌は細菌で樹状組織で増殖、降雨などの水により、気孔、傷口(風傷、ハモグリガの食害痕など)より感染する。 |
かんきつ類 |
病害 |
黄斑病 |
Mycosphaerella horii |
Greasy spot |
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8月頃新葉の裏面に茶褐色の小斑点ができる。斑点は散在するか、集って濃褐色不整形斑点となる。晩秋から早春にかけ中心淡褐色周縁黒褐色の小円星紋斑をつくる。罹病葉は秋から春に落葉し樹勢を弱める。似た病害ににせ黄斑病(病原不詳)がある。 |
かんきつ類 |
病害 |
灰色かび病 |
Botrytis cinerea |
Gray mold |
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落花時期(5月頃)に雨が多いと幼果に付着した花弁が感染源となって、幼果の表面に褐色のカサブタをつくり、それが収穫時期まで残り、傷果となって商品性を低下させる。 |
かんきつ類 |
病害 |
貯蔵病害 |
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貯蔵中に発生する病害で、主なものに緑かび病、青かび病、灰色かび病、軸腐病、黒腐病、黒斑病などがある。軸腐病、黒腐病、黒斑病は既に貯蔵前に潜伏感染していて貯蔵中に発病してくる。緑かび病、青かび病、灰色かび病は収穫期以降に関せん発病する。緑かび病、青かび病の発生が最も多く果皮の傷から侵入発病する。灰色かび病は低温で貯蔵した場合に多い。黒腐病は開花中の柱頭から侵入し長時間潜伏し、軸腐病は黒点病と同じ菌が果梗に感染して果肉に侵入し、果実腐敗を起す。 |
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○緑かび病 |
Penicillium digitetum |
Common green mold |
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○青かび病 |
Penicillium italicum |
Blue mold |
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○軸腐病 |
Diaporthe citri |
Stem end rot |
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○黒腐病 |
Alternaria citri |
Black rot |