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いちご(Strawberry)

【病害】一般に圃場でみられる病害は10種程度である。そのうち発生が多く、また経済的にも重要な病害は灰色かび病、うどんこ病、じゃのめ病、根腐病などである。地上部の病害は有機硫黄剤で防ぐことができるが、土壌病害に対しては土壌殺菌剤による土壌消毒が必要である。

作物 病害虫 病害虫名 学名 英名
  発生と生態
いちご 病害 じゃのめ病(斑点病) Mycosphaerella fragariae Leaf spot
 春から秋にかけて年中発生する。葉に寄生し、成葉が侵されやすい。葉面には紫赤色の小斑点を生じ、拡大すると中央部はしだいに赤褐色から灰白色に変り、周縁に紫褐色の輪紋をつくる。全葉が紫褐色になり枯れることがある。
いちご 病害 輪斑病 Dendrophoma obscurans Leaf blight
 主として夏季に発生し、親株、幼苗の被害が大きい。葉、葉柄、ランナーに発生し、苗の充実に悪い影響を及ぼす。葉でははじめ紫赤色の小斑点を生じ、後拡大し、周囲が紫褐色のまま残る。病斑状には明瞭な輪紋がみられる。また古くなると病斑上に小黒粒点もみられる。
いちご 病害 炭そ病 Colletotrichum fragariae Crown rot
 斑点型と萎ちょう型の二つのタイプがある。斑点型はランナー、葉、葉柄に斑点、褐斑型の病徴発生する。ランナー、葉柄の病斑は黒褐色の紡錘形〜楕円形でくぼむ。葉では汚斑状の病斑となる。萎ちょう型は仮植床や定植直後に発生し、8〜10月に多い。クラウン部の下葉1〜2枚が生気を失って下垂し、しおれる。病株のクラウンを切断してみると外部から中心部にむけて肥大が悪くなり味も落ちる。
いちご 病害 うどんこ病 Sphaerotheca humuli Powdery mildew
 発病適温20℃前後。葉、果実、葉柄、果梗、植物体表面にクモ糸状のかびを生じ、ついで白粉状物を形成する。発病が激しくなると表面全体が白粉状物で破れる。蕾に発生すると花弁は紫紅色となり、開花しないか不完全開花となる。果実に発生すると肥大が悪くなり味も落ちる。
いちご 病害 灰色かび病(ポトリチス病) Botrytis cinerea Gray mold
 発病適温20℃前後。いちごの地上部すべてを侵すが、果実がもっとも侵されやすい。果実が侵されると褐〜暗褐色斑点を生じ、しだいに大きくなり、多湿のときは軟化腐敗し、灰色のかびを密生する。葉、葉柄、ガクなども褐変〜黒褐変し灰色のかびを生ずる。雨の多い年に被害が多い。
いちご 病害 萎黄病 Fusarium oxysporum f.sp.fragariae Fusarium wilt
 新葉の小葉が小さく舟のようにまきあがり、またねじれて黄化する。奇形葉は片側にみられることが多い。採苗床、育苗床にもっとも発病が多い。地温との関係は密接で30℃付近で多発する。
いちご 病害 根腐病 Phytophthora fragariae Red stele
 1〜2月の寒冷な時期から気温の上昇とともに多くなり、3月下旬〜5月上旬にもっとも被害が多い。根を侵し、黒〜黒褐色に腐朽させる。幼芽は暗緑色となり生気を失い、後に暗灰色となる。病勢が進むと老葉の葉縁からしだいに暗褐色となって枯死する。根の中心部が赤褐変している。

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