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あぶらな科野菜(Cruciferous Vegetables)

【害虫】あぶらな科(十字花科)野菜の害虫では、ヨトウガ、モンシロチョウ、コナガ、ハイマダラノメイガ、アブラムシ類などがおもな害虫で、茎葉を食害・吸汁するものが多い。カブラヤガ、キスジノミハムシ、タネバエなどの土壌害虫に対しては、土壌殺虫剤を播種前に処理すれば十分防げる。食葉害虫ならびにアブラムシ類に対しては、有機リン剤が効果的である。

作物 病害虫 病害虫名 学名 英名
  発生と生態
あぶらな科野菜 害虫 モンシロチョウ(アオムシ) リン翅目 Pieris rapae crucivora Common cabbageworm, Small white butterfly
photo 普通はさなぎで越冬し、暖地では年5〜6世代を繰り返す。あぶらな科植物を食害し、春秋の2季の被害がもっとも著しい。幼虫は葉を食害し、全葉を食いつくすこともあり、生育を妨げるものではくさい、キャベツでは結球しないこともある。
あぶらな科野菜 害虫 コナガ リン翅目 Plutella xylostella Diamondback, Cabbege moth
photo 非休眠性で暖地では年に10回以上発生する。ふ化幼虫は葉肉内にもぐって食害し、その後外に出て葉を裏から食害し不規則な穴をあける。主に葉裏に粗いまゆをつくって蛹化する。コナガの成虫は体長6mm、翅開張14mmぐらいの灰褐色のガである。幼虫は緑色で生長したものでも9mmぐらいである。薬剤感受性低下の傾向が顕著である。
あぶらな科野菜 害虫 ハイマダラノメイガ リン翅目 Hellula undalis Cabbege webworm
 成虫は5月頃から出現して普通3〜4回多いものは5回の発生。本葉が出始めるころから幼虫が葉を綴り合せて食害するので幼苗は枯れたり芯が止まるが、本葉が数枚出てしまえば被害は少なくなる。梅雨期から盛夏にかけて高温で寡雨の年は初秋の発生が多く、従って被害も多い。
あぶらな科野菜 害虫 ヨトウガ(ヨトウムシ) リン翅目 Mamestra brassicae Cabbege armyworm
photo 年2世代が普通で土中でさなぎで越冬する。暖地では4月下旬〜5月下旬に第1回のガが現れなくなる。幼虫ははじめは裏に群がって昼夜の別なく葉を食害するが育つにつれ分散し、終令幼虫になると昼間は株元や土中浅くかくれ、夜間だけ茎葉を食害する。きわめて雑食性で種々雑多な植物の葉を食害する。
あぶらな科野菜 害虫 ハスモンヨトウ リン翅目 Spodoptera litura Common cutworm, Cluster caterpiller
photo 年5〜6回発生するが、秋に発生が多い。非休眠性の虫が冬期間も発生を繰返す。卵塊で産卵し、ふ化幼虫は集団で食害し、大きくなると単独で食害する。春先から発生し晩春に蛹化する、さなぎは体長2?ぐらいで茶褐色、幼虫は全体が淡い灰褐色で縦に白い縞がある。幼虫は6〜7月に第3世代、初秋から第4〜5世代が発生する。日中は土塊や下葉の暗い所にひそみ夜間出てきて茎葉を食害する。おもに暖地に発生する。
あぶらな科野菜 害虫 カブラヤガ リン翅目 Agrotis segatum Cutworm, turnipmoth
 トマトの害虫」の項参照。
あぶらな科野菜 害虫 タネバエ 双翅目 Hylemya platura Seedcorn maggot
 うり類の害虫」の項参照。
あぶらな科野菜 害虫 ニホンカブラハバチ 膜翅目 Athalia japonica Cabbege sawfly
 幼虫態で地中で越年し、成虫は4、5月頃から発生し、カブラハバチは年4〜5回、ニホンカブラハバチは春と秋の2回発生する。幼虫は紫黒色で体長は約15〜20mmで、はじめ葉に小孔をあけながら食害し、成長するに従い葉縁から大きく不規則に食い荒らす。触れたり、ゆすったりすると体を丸めて落下する。土中で蛹になる。
あぶらな科野菜 害虫 カブラハバチ 膜翅目 A.rosae japonensis Cabbege sawfly
あぶらな科野菜 害虫 アブラムシ類 半翅目   Aphids
photo はくさい、だいこん、かぶを加害するアブラムシは、おもにニセダイコンアブラムシとモモアカアブラムシでダイコンアブラムシもときに加害する。キャベツではダイコンアブラムシが多く、ニセダイコンアブラムシが少ない。ダイコンアブラムシはコロニーを作るが、モモアカアブラムシは比較的分散している。モモアカアブラムシは淡黄緑色か赤褐色でからだはすべすべして光沢がある。ニセダイコンアブラムシの無翅雌虫は淡黄緑色。全面にうすく白粉をかぶっていて背面の各節の中央に黒い斑点がある。ダイコンアブラムシの無翅雌虫はからだは淡黄緑色であるが全面に白粉をあつくかぶっている。ダイコンアブラムシは春に、ニセダイコンアブラムシは秋に、モモアカアブラムシは春と秋に発生が多い。
あぶらな科野菜 害虫  ○モモアカアブラムシ   Myzus persicae Green peach aphid
あぶらな科野菜 害虫  ○ニセダイコンアブラムシ   Lipaphis erysimi Turnip aphid
あぶらな科野菜 害虫  ○ダイコンアブラムシ   Brevicoryne brassicae Cabbege aphid
あぶらな科野菜 害虫 キスジノミハムシ(キスジトビハムシ) 甲虫目 Phyllotreta striolata Striped flea beetle
photo 成虫態で雑草の根際などで越冬し、成虫が4月頃よりだいこん、かぶなどの葉を食害し無数の小孔をあける。幼虫は地中で根を食害するので軟腐病の誘因となる。年4〜5回発生するが、その発生は不斉一である。
あぶらな科野菜 害虫 ヤサイゾウムシ 甲虫目 Listroderes obliquus Vegetable weevil
 年1回の発生。晩春から初夏に羽化した成虫は秋になって活動を始める。夜行性で新成虫は各種野菜の葉を食害するが、その被害は目立たない。晩秋から翌春にかけ産卵し、幼虫は葉裏や芯芽に集まり食害するので、芯止りとなり生育がとまる。単為生殖で、突発的に大発生して惨害をこうむることがある。
あぶらな科野菜 害虫 ネコブセンチュウ類 ハリセンチュウ目 Meloidogyne spp. Rootknot nematodes
 その他」の項参照。

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