作物 |
病害虫 |
病害虫名 |
科 |
学名 |
英名 |
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発生と生態 |
りんご |
害虫 |
キンモンホソガ |
リン翅目 |
Phyllonorycter ringoniella |
Apple leafminer |
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さなぎで越冬し、年5〜6回発生する。幼虫は葉肉内に食入り、枯斑を作る。葉は縦に裏面へ巻き発生の多い時は落葉する。幼虫は6mm位で淡黄色で少し緑色をおびる。成虫は3mmたらずの金色のガである。 |
りんご |
害虫 |
モモシンクイガ |
リン翅目 |
Carposina niponensis |
Peach fruit moth |
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りんごやももの果肉内に不規則に食いまわる。幼果の頃に食い込まれた被害果は発育不良になり、表面がイビツになる。かなり大きくなってから食い込まれた被害果は外見ではほとんど変化がなく、食入口から汁が出る。幼虫は体長13mmぐらいで、頭部と硬皮板が黄褐色のほかは橙褐色であり、成虫は開張19mmぐらいで灰白色、前翅前縁に暗褐色の三角紋がある。 |
りんご |
害虫 |
ナシヒメシンクイ |
リン翅目 |
Grapholitha molesta |
Oriental fruit moth |
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被害果は果皮がかなり広く変色し、その中央付近に小さい食入口があり虫糞がでている。果肉は海綿状になり、ねばねばした汁がたまっている。若い枝に食入すると先が折れるかまたは枯れてたれさがり、心折れとなる。幼虫は体長13mmぐらいで若令虫は乳白色、老熟すると橙黄色で背面が赤色になる。成虫は、黒褐色で前翅にくの字型の灰白線が多数ならんでいる。年3〜5回発生。 |
りんご |
害虫 |
ハマキガ類 |
リン翅目 |
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Leafrollers |
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りんごを加害するハマキムシの種類は多いが、普通りんご、なしの葉を巻いて中から食害し芽の中に食い込んだり、若い葉やつぼみの花弁をつづって芯を食ったり、あるいは葉と幼果をつづり合わせたり、袋と果実の触れている部分をかじってナメリを生じたりする。 |
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○リンゴコカクモンハマキ |
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Adoxophyes orana fasciata |
Summer fruit tortrix |
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年3世代。樹枝にマユをつくり、若令虫で越冬し、4月中旬〜下旬に発芽時の芽を食害し、さらに展葉期に葉を巻いて食害する。果実はナメリ果となる。幼虫は発芽後の花芽幼果を食害する。ナメリ果の害はない。 |
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○トビハマキ |
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Pandemis heparana |
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年2〜3世代。樹皮の間などにマユをつくって若い幼虫で越冬し、年1回の幼虫は、花蕾茎のほか軟らかい新葉を食害する。 |
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○リンゴモンハマキ |
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Archippus breviplicanus |
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年2〜3世代。若令幼虫で樹皮下などで粗マユを作って越冬する。葉や果実を食害する。 |
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○ミダレカクモンハマキ |
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Archipps fuscocupreanus |
Apple tortrix |
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年1回の発生。幹や枝に産卵され、卵塊で冬を越す。幼虫は発芽後に花芽、幼果を食害する。ナメリ果の害はない。 |
りんご |
害虫 |
ハダニ類 |
ダニ目 |
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Spider mites |
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りんごを加害するハダニは数種あるが、下記の3種が代表的である。葉裏にしたがって吸汁するので、葉裏に不規則な白斑を生じ、被害のはなはだしい時は一面に汚い黄色を帯びてくる。 |
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○リンゴハダニ |
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Panonychus ulmi |
Europian red mite |
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年5〜8回発生。枝や幹のしわなどに卵で越冬、5月中旬ごろより発生する。夏期の被害はなはだしい。 |
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○オウトウハダニ |
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Tetranychus veinnensis |
Hawthorn spider mite |
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年4〜6回の発生。成虫で樹皮間際などで越冬、9月中旬ごろからの発生が目立つ、暖地に多い。 |
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○ナミハダニ |
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T.urticae |
Two-spotted spider mite, Red spider mite |
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年10回以上の発生。成虫態で草木類で越冬、7月中旬頃より目立ち、8〜10月にもっとも多く、寒冷地に多い。 |
りんご |
害虫 |
アブラムシ類 |
半翅目 |
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Aphids |
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○リンゴコブアブラムシ |
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Myzus malisuctus |
Apple leafcuring aphid |
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年10世代ぐらい。4月芽出し当時より10月中旬まで吸汁加害する。被害枝は生育悪く、被害葉は両縁から縦に裏側に巻込み、はなはだしい場合は落葉する。 |
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○ユキヤナギアブラムシ |
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Aphis spiraecola |
Apple aphid |
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ユキヤナギなど主寄主で越冬し、5月頃から新梢の先端に寄生し、7〜9月に発生が多い。 |
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○リンゴワタムシ |
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Eriosoma lanigerum |
Woolly apple aphid |
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年10数世代。幼虫は若い枝の組織に固定して加害し、新梢の葉腋に虫えいができ、はなはだしい時は枝枯れを生ずる。6〜7月上旬、9月に多発する。 |
りんご |
害虫 |
コナカイガラムシ類 |
半翅目 |
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Mealybugs |
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いずれも、りんご、なし、かきなどに寄生、悔い吸汁加害し、すす病を誘発する。 |
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○オオワタコナカイガラムシ |
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Phenacoccus pergandei |
Elongate cottony scale |
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年1世代。幼虫で越冬。枝、葉裏、花梗、果実などに寄生加害する。雌は体長4〜5mm、ワラジ虫に似ているが、卵を産む頃には白い線状のものにつつまれ、長さ35mmにも達する。 |
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○クワコナカイガラムシ |
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Pseudococcus comstocki |
Comstock mealybug |
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年3〜4世代。土中や老木の粗皮下、朽ち穴の中で卵越冬する。枝に寄生するほか、袋掛け後に袋内に入って果実を吸汁加害する。 |