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なし(Pear)

【害虫】なしの害虫は多種にわたるが、主要な害虫は20種程度で、一般に被害の大きいのはナシヒメシンクイ、ナシマダラメイガ、ナシチビガ、ハマキガ、アブラムシ、ハダニ、カイガラムシなどである。ほとんどの害虫は有機燐剤などの散布で防げる。殺ダニ剤は々ものを繰り返し散布しないで、種類の異なる殺ダニ剤を散布するのが効果的である。新葉の展葉期である4月〜5月は有機燐剤の薬害が出やすい。

作物 病害虫 病害虫名 学名 英名
  発生と生態
なし 害虫 モモシンクイガ リン翅目 Carposina niponensis Peach fruit moth
photo りんご害虫」の項参照。俗名 アカミムシ、ハリトウシ
なし 害虫 ナシヒメシンクイ リン翅目 Grapholitha molesta Oriental fruit moth
photo りんご害虫」の項参照。
なし 害虫 ナシマダラメイガ リン翅目 Euchodpe pirivorella Pear fruit moth
 年2回の発生。おもに花芽の中にマユを作り越年し、3月下旬ごろより花芽を食害、花梗の根を食ってくれを枯らす。5月果実が指頭大になるとこれに食入し、被害果内でさなぎとなる。7月に次代の幼虫が芽や果実に食入する。幼虫は長さ15〜18mm、暗褐色である。
なし 害虫 ナシチビガ リン翅目 Bucculatrix pyrivorella Pear leafminer
photo 年4回の発生。成虫は4月下旬〜5月上旬、7月上旬、8月上旬、8月下旬〜9月上旬ごろの4回発生する。開張12mmぐらいの小さな蛾で黄白色〜黄褐色、葉上に産卵され、ふ化幼虫は潜孔し葉肉内を食害する。2令幼虫の後半は葉上のでて仮繭をつくり、3例以降は葉内にもぐることなく、葉肉をすかすように摂食し、4令を経て繭をつくる。繭は葉裏葉脈近くに黄白色4mm前後の縦に数条の隆起線をもつ防鐘型である。
なし 害虫 ハダニ類 ダニ目   Spider mites
photo なしに寄生するハダニは数種類あるが、暖地にはミカンハダニ、オウトウハダニ、ニセナツハダニが、寒冷地ではリンゴハダニ、ナミハダニの寄生が目立つ。被害葉は緑色が点々とぬけ、色あせ、しだいに褐変し落葉する。
   ○オウトウハダニ   Tetranychus veinnensis Hawthorn spider mite
 雌成虫で粗皮下などで越冬。最高気温15℃以上になると樹上に移動をはじめ加害する。
   ○ナミハダニ   T.urticae Two-spotted spider mite
 ほとんどの顕花植物に寄生。寒地に多く、成虫で越冬。5〜6月ごろより加害する。
   ○ニセナミハダニ   T.cinnabarinus Carmine spider mite
 暖地に多い。寄生範囲が広く、なしでは7月ごろから発生が目立つ。
   ○リンゴハダニ   Panonychus ulmi European red mite
 ばら科の果樹に被害が多くなしでは7〜8月ごろに多発して加害する。
   ○ミカンハダニ   P.citri Citrus red mite
 なし、みかん、ももなどに寄生。寒地では卵態で越冬する。
なし 害虫 ナシグンバイ 半翅目 Stephanitis nashi Paer lace bug
 年2〜4回の発生。落葉の下、根ぎわの老皮下などに成虫で越冬し、夏から秋にかけて多発し、葉裏に寄生して吸汁するので、葉裏に白い斑点を生じ退色して早く落葉する。幼虫ははじめ葉裏に群生するが、生長するにつれて分散する。成虫は体長3〜3.5mm、翅は半透明で×字形の紋があり、体全体が軍配形をしている。
なし 害虫 アブラムシ類 半翅目   Aphids
   ○ナシノアブラムシ   Shizaphis piricola Pear aphid
photo 無翅の雌成虫は体長が2mmぐらいで緑色を呈し、有翅虫は頭、胸が黒色である。葉表につき、被害葉は左右から縦に巻き、秋早くから落ちる。
   ○ナシミドリオオアブラムシ   Nippolachnus piri Green pear aphid
 無翅の雌成虫は、後方が太い長方形で、体長3.5mmぐらいの淡緑色、翅のあるものは全体灰褐色で腹部の中央と両側に黒斑がある。びわで越年し、なしでは葉を巻かないで葉裏の脈にそって列をつくって集まり、葉を黄変させる。
   ○ナシハマキワタムシ
 (ナシノワタアブラムシ)
  Prociphilius kuwanai  
 無翅の雌成虫は楕円形で肥大しており、体長3mm内外の黒緑色で全体に白粉で被われている。有翅虫は体長2mmぐらいで暗黄緑色を呈し、頭、胸が黒色である。被害葉は葉を内側にして巻き、黄変、肥厚し秋早く落葉する。

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